結婚できないのは「マブイ」を落としたから?魂を取り戻すマブイグミ

魂を取り戻すマブイグミ
沖縄の伝統的な民間信仰において、「マブイ(魂)」を落とすという概念があります。これは、身体的または精神的なショックを受けた際に、魂が身体から離れてしまうことを指します。マブイを落とした状態では、心身の不調や運勢の低下が生じるとされ、これを元の状態に戻すための儀式が「マブイグミ」です。今回は、結婚できない原因が「マブイを落とした」ことにあると考え、その解決策としてのマブイグミについて探ってみましょう。

マブイを落とすとは?

沖縄のユタ(民間信仰職能者)は、特定の出来事や場所で人がマブイを落とすことを指摘し、その回復を促します。

ユタは、ケガした子どものマブヤー(人の活力の源とされる魂)が落ちていることを指摘して、マブヤーグミ(魂を込める)儀礼を行なうことをすすめる。「特別な場所での子どものケガであったので、何かあるのではとの思いがあった」「マブイ(魂)が落ちているのはハンジで知った」と、依頼者は大橋による追跡調査の際に語っている。ハンジで、子どものケガの意味やマブイが落ちていることに納得した依頼者に、ユタは、落ちたマブイを拾い上げるマブイグミ儀礼の仕方を手ほどきした。後日、依頼者は、マブイグミの儀礼を行ったこと、また「気のせいかも知れないが子どもが元気になった」との感想を大橋に述べたとされる。

山入端津由; 井村弘子; 泊真児. ユタ (民間信仰職能者) のハンジ場面におけるナラティブ分析: ユタと依頼者のやりとり分析のための作業仮説. 南島文化, 2017, 39: 35-72.

このように、ユタは人々の心身の不調やトラブルの原因をマブイの喪失と結びつけ、儀式によってその回復を試みます。

閻魔王が、「人間は物知りで、くしゃみをしたらすぐ、くすけひゃーというからまぶいは取れない」といった。これを聞いた男は、急いで家に帰り息子がくしゃみをしたらすぐに、「くすけひゃー」といった。それで男の子はまぶいを取られずにすんだ。 クスケーということばは、その時、後生の閻魔王が人間に教えてしまった言葉である。
クスケー由来| 沖縄県立博物館・美術館

マブイグミの方法

マブイグミの儀式は、本人が直接その場所に行かなくても、ユタの指示に従って行うことができます。

このマブイグミというのは、本人がその場所に行かなくても、場合によってはユタさんの指示で、指定した場所に行き、そこえ儀式をおこなうことで、取り戻すこともできます。

たとえば家族がマブイを落としたようだとすると、まずあなたが家族の相談ということで、ユタさんとお話をし、マブイグミをした方がよいといわれたら、どのようにすればよいか聞くという手順です。

マブイグミをおこなってすぐに回復し、「あれオレどうしていたんだろ」などと言う人もいるぐらいで、マブイグミは沖縄では絶大な力を持つと信じられています。

ユタに相談ナシでマブイグミを成功させる方法

 

このように、マブイグミの儀式は家庭内でも実施可能であり、その効果は即効性があると信じられています。

結婚できない原因とマブイ

結婚できない原因がマブイを落としたことにあると考える場合、その状況を改善するためには、マブイグミが有効であるとされています。例えば、過去の失恋や心の傷が原因でマブイを落としてしまい、結果として結婚に踏み切れない状況が続いているかもしれません。

マブイグミを行うことで、失った魂の一部を取り戻し、心のバランスを回復させることが期待できます。これにより、前向きな気持ちで新たな恋愛や結婚に向き合えるようになるのです。

まとめ

マブイを落としたことが結婚できない原因の一つであると考えるならば、沖縄の伝統的なマブイグミの儀式を試してみる価値があるかもしれません。ユタの指導を受けて、適切な儀式を行うことで、心のバランスを回復し、前向きな未来に向けて新たな一歩を踏み出すことができるでしょう。マブイグミの儀式は、単なる迷信ではなく、心のケアとして有効な手段と考えることもできます。

子供のマブイを守る伝統的な方法については『沖縄の産育儀礼における子どもの衣服と背守り』が詳しいです。

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